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バレエの魅力・眠りの森の美女 [藝術]

「眠れる森の美女」と呼ばれることもある、チャイコフスキー作曲の
バレエの傑作と言われている作品。
私は子供の頃から、バレエは大好きで舞台を観ることはできなかったが、
『バレエ物語』などを読みながら、あれこれ想像を膨らましていた。

「眠れる・・」はもちろんどんなバレエの本にも載っていたが、
実は好きなストーリーではなかった。
良く知られているように、これは童話「いばら姫」がもとになっている。
お姫様が魔法をかけて眠らされる、というあたりはミステリアスで好みだったが、
その後、どこからか現れた王子様にキスされて目覚め、
そして結婚するなんて・・・。なんだか変だ、と子供心に
思っていたのである。

このバレエを実際に観たのはもう二十余年前、
ロイヤルバレエ団の日本公演だったけれど、
これがなかなか素敵だった。
「眠れる・・・」のバレエ演目としてのストーリーが
「いばら姫」に沿って展開するのは全体の三分の二までに過ぎなかったから。
最終幕は、王子さまとの結婚祝いの踊り、と称して、
何でもアリ、のどんちゃん騒ぎ風になるからである。

例えば、赤ずきんと狼の踊り、青い鳥の踊りなど、
ヨーロッパに伝わる民話の主人公たちが
次々に登場する。私が大好きなのは、
長靴を履いた猫の踊りで、音楽も素晴らしい。
妖艶でかつ怠惰な猫の動きがそのまま
音になったような楽しさなのだった。

WOWWOWのマリインスキー劇場版の「眠りの・・・」
を相棒と一緒に見ていると、彼はすごく不思議そうに
「どうしてここに、赤ずきんが出てくるの?
長靴を履いた猫って、どういう関係?」
とか、次々に質問してくる。

このバレエは、もうお楽しみのおまけがいっぱいついてる
やつなんだよ、楽しめばいいんだ。
「眠りの森の美女」も第三幕じゃ、ただのダシなんだから。

バレエの魅力・コッペリア  [藝術]

よく上演され、有名になっているバレエの
演目の原作は、もともとが西洋の伝承や昔話である
という例が多い。「コッペリア」の原作もホフマンの小説
『砂男』であるとされているが、この小説自体が
ドイツに伝わる「ザンドマン」と呼ばれる民間伝承をもとに
創作されたものである。

夜更かしする子供に「砂男(ザンドマン)」が現れて
目に砂を放り込まれるよ」と脅して寝かしつけた、という言い伝えである。
ホフマンの「砂男」は、大人になっても砂男の幻影におびえ続ける青年の
心理から展開された破滅的な怪奇小説だったけれど、
バレエの「コッペリア」は、この小説の後半部分をうまく利用していて
幻想性も活かしながらも、生命賛歌を盛り込んでいて魅力的である。

ところで、コッペリアという名前の語源だが、もともとは
イタリア語のcoppoという言葉からきているらしい。
「眼窩」という意味の雅語だそうである。
日本ではアメリカの映画監督の名として有名だけれど、
「コッポラ」はここから派生したイタリア系の姓である。

砂男は砂を子供の眼に撒きつける、そして奇怪な商人コッポラが
売りつけようとした眼鏡、携帯望遠鏡・・・。望遠鏡で見えてしまった
隣家の窓にたたずむ、美しい女性。彼女に恋してしまう青年は
やがて、彼女の眼窩が空っぽであることに驚愕する・・・。

という風に、お話は「眼」の縁語を繋ぎ合わせるように続いていく。
バレエコッペリアの最大の見どころは、人形だった女性が
人間へと変わる、そのまなこの生き生きとした動き、
にあるのかも。と、想像しながら鑑賞するのも面白いのでは。

バレエの魅力 [藝術]

WOWOW から録画しておいた
ロシア・マリインスキーバレエ「眠りの森の美女」を観る。
録画しておこう、と最初に言い出したのは相棒の方。
「バレエだよ、観るの?」と確認してしまった私。

彼に、バレエの楽しさを開眼させたのは、
七年前、ポルトガルで観た「コッペリア」である。
公演の帰り、暗い中をひとりで帰るのが怖いから、
相棒をむりやり引っ張っていったのだった。

ポルトガルのバレエ団による公演だったから、
(バレエの本場はなんといってもロシアである)
さほどのものではないだろうと思っていたのだけれど、
演出は冴えていた。
特に、博士の愛していた自動人形のコッペリアが、不意に
生身の少女に変身してしまう場面は、
象徴性に富んでいて、バレエらしい夢幻の世界の
瞬間的現実化、と呼べそうな魅惑的な展開であった・・・。

あの後、コッペリアのDVDなどをできる限り入手したのだけれど、
どれも今一つであった。舞踏として技術的に素晴らしい、
とは思えても、あの夢幻的な世界の再現にはなっていなかったからである。
(この項、続けます)

第九 [藝術]

年末、NHKホールで行われたN響による第九を
聴くことができた。
チケットがあるので、と私を誘ってくれた方がいたのだ!
(ふだんから尊敬していた方からのお誘い!
 私は前夜よく眠れなかったくらいだ)。

前もって、我が家にある第九のCDを聴いてみることにした。
カラヤン指揮のベルリンフィル、録音は1976年9月ー12月、1977年1月ー2月
となっている。複数の録音から、良好なものを組み合わせた、ということか。

改めて聞いてみるとなんだか、すごくのっぺりとした音に聞こえる。
こんな風だったかなと、少々落胆する。まあ、ステレオも古いし、
私は正直なところ、耳に自信がない。
音楽に薀蓄は必要ない。楽しめばいいんだ、と開き直る。

そして待ちに待った当日。
生の演奏はやはり感激だった。
CDの音に比べると、立体的でメリハリのある音。
そして全体にふんわりと艶のある柔らかさという印象があった。

合唱の迫力も素晴らしかった。何しろ人数が半端じゃない。
合唱が始まる、その一瞬前に、全員がすっと
立ち上がったとき、鳥肌が立つような感動に襲われたほど。

あれこれと忙しかった年末の一日。
素晴らしいクリスマスプレゼントを下さったKさんに感謝!



カノン [藝術]

昨日、あるニュース番組を見ていたら
日本の地方局限定で流されているCMが
世界で話題になっている、というトピックが放映されていた。

その一つが、岩手放送で流されたというCM。

場面は結婚式の披露宴会場。
朴訥とした中年男が、グランドピアノの前に腰かける。
なにか引き始めようとして、早速とちる。

花婿らしい男が「お父さん、ピアノ弾けたの?」
花嫁は首を振り、父の方を見ながら、激しく困惑した表情。
「もう、やめてよ」

ピアノの音が曲の形を成してきて、ああ、
パッへルベルのカノンだ、とわかってくる。
花嫁が、はっとした表情に代わり、
画面は、セピア色に。母親らしい若い女性と、
小さな女の子がピアノに向かっているシーンに変わるのだ。

父親は必死に弾き続け、花嫁はやがて号泣し・・・。
披露宴の席に、花嫁の母の姿はなく、代わりに写真が飾られている。

というものだった。
このCM、今、中国で大人気なのだそうである。

CMのプロデューサーは
「ピアノの出来が、いかにもそれらしく響くように
手加減するのが難しかった・・・」
と言っていた。そうだろうなあ、
あまり上手過ぎては嘘っぽい。
かといって、あまりにたどたどし過ぎても、しらける。

それにこのカノンは、簡単なようで、
結構、難しい曲なのではないだろうか。

私はロンドン交響楽団演奏のCDを持っていたので、
夜、改めて聞いてみた。
少しずつ、天上への階段を上り詰めていくような、
なにか、心が澄み切っていくような感覚へ
導いてくれる、この演奏が大好きである。

ただ、技巧だけだと、こうは響かない、
という気がする。
CMのなかで、花嫁を泣かせたのは、
遠い日の母親との想い出であり、
男手ひとつで自分を育ててくれた
父親への感謝の思いだったのだろう。

ところで、このCMのスポンサーは、
成人向け音楽学校だった・・・・。

リゴレット [藝術]

WOWOWでメトロポリタン・オペラ「リゴレット」を
放映していたので、早速録画して見た。

リゴレットは、ずっと以前に購入したウイーンフィルによるLDで観ている。
もう、LDの機械が壊れてしまったので、再度見ることはできないのだけれど。
パバロッティとグルベローヴァが出演する、素晴らしい演奏だった。
それで、ヴルディのオペラのなかでもかなりのお気に入りだったのだが。

メトのリゴレットも、期待に沿うものだった。
聴きどころは数多くある合唱部分だと思うが、ここの
ハーモニーもすばらしく良かった!

WOWWOWでは、メトロのオペラを次々に放映してくれるので、
毎回、楽しみなのだけれど、この番組で一つ気に入らないことがある。
幕間の、出演者インタビューである。
舞台から袖に出てきた出演者を捕まえて、
あれこれと尋ねたり、演出の趣旨を確認したり・・・。
はっきり言って、これは有難迷惑だと思う。

私は録画でしか見ないので、この部分はいつも
早送りしてしまうのだけれど。
番組の冒頭部分にも、日本の部台演出家とか、
オペラに造詣の深い人がゲストとして登場して、
あれこれと薀蓄を傾ける、という部分もある。
これもはっきり言って、うざい。
観る前にやたらな解説なんか不要である。
自分の観たいように観たい。
そんな風に思うのは私だけかな。

きゃりーぱみゅぱみゅ [藝術]

我が相棒が、きゃりーぱみゅぱみゅについて口にしたのは
二年近く前のことじゃなかったろうか。

モーニング娘。とかAKBとか、世に多いアイドル系少女グループ
にはまったく関心がなさそうだったから、これには驚いた。
彼曰く「すごく独創的なんだ」。
これまでコマーシャルなんかに登場している様子をぼうっと見ているだけだった私も、
音楽番組を調べて、きゃりーが出ている部分を見てみることに。

う~ん、なるほど。私も心惹かれるところがあった。
ピンクを主体にした、ふわふわのドレスに、大きな髪飾り。
まるでおもちゃ箱から飛び出した来たよう。
振り付けも歌い方さえも、ねじ仕掛けの自動人形みたいだ。
そして彼女自身が意図的に自分自身をデザインしているらしい、
その自覚性、というか確信的なところが、一番素晴らしい!

最近、WOWOWで、きゃりーのコンサートの録画版が放映されていたので、
こちらも観てみた、『ARENA TOUR からふるぱにっくTOY BOX』である。
こちらは題名通り、まさにおもちゃ箱をひっくり返したような舞台に、
きみょうな人形めいた着ぐるみ軍団がぞくぞくと登場。

カメラは舞台だけでなく、コンサートを楽しむ客席の様子も
たっぷり映していた。きゃりーも顔負けのふりふり衣装に、
大きな髪飾りを付けた小さな女の子たちや、その両親らしいカップルも、
姉妹や恋人同士も、それぞれ凝った衣装で、歌に合わせて
踊っている。みんな、ひととき、夢のおもちゃ箱の中に
いる心地なんだろう。
私も、観終わってほっかり、した。
相棒も、ますますきゃりーがすきになったみたいだ。