So-net無料ブログ作成

魔笛 [映画]

NYのメトロポリタン歌劇場の公演の映画版が、
映画館に登場することになった。合計十作で、
二作目に待望の「魔笛」が来るというので、
見に行くことに。我が家から比較的近い、
横浜中心部の映画館である。

映画館に着いたのは開演の二十分前。
自動券売機で座席指定をしようとして驚く。
なんと、スクリーンの最前列と二列目以外は
全席が埋まってしまっていたのである!
平日の昼だし、この手の映画はだいたい
混まない、と高をくくっていたのがいけなかった。

仕方なく、大画面を見上げるような二列目で見ることに。
でもすぐに、映画の世界に没頭してしまった。
魔笛は、数多いモーツアルトの歌劇の中でも、一番
好きな演目。「ドン・ジョヴァンニ」もいいけれど、
私は魔笛の方が断然に好き。

少々お子様向き?と言う批判もあるかもしれないのだが。
何しろ、ストーリーがめちゃくちゃ、主役のはずの
タミーノの存在感の希薄さにずっこけそうになる。
コミカルなパパゲーノがすごく生き生きしていて、
彼一人が舞台を回している感じ。
でも、そんなのどうでもいいんだ。音楽がもう、
素晴らしくて。極めつけは、夜の女王の
ド迫力のソプラノ!!!
この歌を聞けただけでも、来てよかった!

そして、メトの歌劇らしい、演出の豪華さは、
本当に何度でも見たいくらいに素敵で。
今回のキーワードは、鳥。(これはまさに、
主人公が鳥刺しのパパゲーノであると、暗示してるような
ものだが)三人の童子も先ず鳥の背に乗って現れる。
パパゲーノとパパゲーナがめでたく出会い、
結ばれる場面で、二人を祝うように中空に舞うのも、
美しい鳥たちである。
暮の忙しいひと時、ほんと、夢見るような時間でした。
nice!(0)  コメント(0) 

Winter War [映画]

今週は真珠湾攻撃があった12月8日にちなんでか、
WOWOWでは、「世界は戦争をどう描いたか」という
特集を組んでいる。いずれも力作が揃っていて見ごたえが
あるのだが、今回はその中の「Winter War」について
書いてみることにする。2017年制作のフランス映画である。

ナチスと連合軍との争いが続いていた、ドイツとフランスの
国境近くのアルザス地方が舞台である。ここに展開する
仏部隊を率いているの伍長の男は、二人の仲間を失ったことに
深く傷つき、戦いへの意欲を失ってしまっている。泥沼化した
この戦線へ、経験未熟な若者が次々に送り込まれてくることにも
憂鬱を隠せず、周囲から不安視されるに至っている。

そんなある日、ナチスの兵が捉えられ伍長の前に引き立てられてくる。
伍長はいきなりその男を抱き締め、男の名を呼ぶ。
なんと彼は、伍長の実の弟だったのである。

アルザス地方の悲劇は、本の境界一本の差で敵味方に分けられ、
肉親や友人や知己を相手に戦わなければならない境遇に
貶められた人が沢山いたことだった。
伍長は彼にフランス軍の軍服を着せようとするが、
弟はそれを拒む。自分はナチスの旗のもとに、もう
沢山のフランス人を殺してしまった。もう戻れない、と。

戦争も押し詰まった44年の歳末から翌年の初頭にかけての
争いなのだろう。凍てついた極寒の地にほんの二、三人が
入れるくらいの小さな塹壕をあちこちに掘り、
ここから近づいてくるナチス兵に銃弾を浴びせる。
ナチス兵の方の数が多いのだが、このゲリラ的方法は、
なかなかナチス側に決定的な勝利をもたらさない。

とはいえ、味方の損失も大きい。戦争の酷さ、
不条理さがひしひしと伝わってくる、なんとも
辛い映画だった。
nice!(0)  コメント(0) 

まほろ駅前多田便利軒 [映画]

「まほろ駅前多田便利件」は、三浦しをんの
小説を原作とした映画で、数年前に封切られた。
映画の舞台が私の住む市であるということで、
市の施設で鑑賞会が行われて話題にもなったのだけれど。

私は見ていなかった。愉快な映画じゃないんだろうな、
と、想像がついてしまい(原作は読んでいないのだが)、
避けてしまっていたのだった。最近、WOWOWで放映されていて、
他に見る映画もなかったので、つい見てしまった。

冒頭、見慣れた駅前の雑踏の様子が流れ、
「この町は、都会ではないが田舎でもない。
東京の流行は最後に流れ着く・・・」みたいな
ナレーションが入って、「ああ、やっぱり・・」
「やれやれ・・」もう展開が読めちゃうじゃないか・・。

でも、ちょっと意外だったのは、というかこの一点だけが
この映画を単なる「都会の縁で、人生を降りちゃってる
青年たち」というステロタイプな展開から、ほんの少しだけ
救っている、と思われたのは、主人公の二人の間に、
少年期のある事故がからんでいることである。
人はこういう負の記憶から、どうしたら開放されるのか、
そんな視点からも、この映画を見ることができる、と言う点で。

とはいえ、ヤクの売人とか、やーさん風の男とか、
異国からの出稼ぎらしい女性たちとか、なんだか
「この町にはこういう人が似あいそう」みたいな
登場人物がわんさか出てきて、ちょっと閉口する。
余り知らない人が見たら、きっとものすごく怖い町、
という印象を持ってしまうだろう。
(いや、実際そうなのかも。近年の凶悪事件は、
厳密には私の住む市ではないが、ごく近くで起きている)。
複雑な気持ちのまま、映画は終わってしまったのだが。
最後には少し希望が見えそうな、そんな終わり方だった。

続編があるらしい。あまり期待はせずに見ることにしよう。
nice!(0)  コメント(0) 

蝙蝠の話 [映画]

WOWOWで時々放送される「Natural World」。
今月は「人気者じゃないけれど」の三部作で、
蛙編、パンダやムツゴロウなどはみ出し者編、
そして最後はメキシコのヒメハナナガコウモリだった。

いずれも抜群に面白かったのだけれど、今回、この
変わったコウモリの話を取り上げてみたい。何しろ、
メキシコではコウモリがなくなれば、お酒が飲めない、
という。まるで「風が吹けば桶屋がもうかる」類か、
と思いきや、もっとダイレクトに深刻な問題なんだった。

メキシコのお酒と言えば、テキーラ。その原料はご存知、
龍舌蘭。このサボテンの受粉は、ひとえに、ヒメハナナガ
コウモリに負っているのだという。だから二十年近く前、
このコウモリが激減した時、酒のみの間に激震が起きた、
とさえ言われてたとか。動物学者のロドリコ・メデシンは
このコウモリの生態を調べ、保護に乗り出す。

「Natural World」のコウモリ編は、この博士のレポート、
と言う形で進められる。とにかく何やら恐ろしげな洞窟に
も入り込み、深夜の調査も厭わず、悪臭と糞にまみれ・・。
ああ、それでもコウモリ愛一心で(いや、テキーラ愛も
かなり含まれていそうだが)。

そしてコウモリの出産の場面の映像化にも成功する。
ああ、そうか、鳥じゃないんだから、子供産むんだよね、
と改めて気が付く。やはりぶら下がったままの出産。
まず手が出て、そして翼が・・。だが、すんなりとは
いかない。コウモリの羽って、複雑な形しているし・・。
赤んぼは大人とほとんど同じ形しているんだった。
ようやく出てきたところで、つるっと、落ちそうになる。
お母さんコウモリが、あわてて抱き留めているところまで
映っていた。ああ、重力に抗してのぶら下がり出産!

ヒメハナナガコウモリはその繁殖地で、かなり数が増えて
いることがわかり、しばらくテキーラの生産も
安定しそう、とのことだった。それはよかったけれど。

コウモリはやっぱ、不気味でした。花の蜜を吸う様子は
蝶のようなのに、あの怪奇な顔。陰気な色。
我が家の周りでこうもりを見かけたことはない。
いないことに密かに安堵・・・。
nice!(0)  コメント(0) 

Pay the Ghost [映画]

邦題は、「ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄」
という映画。ほとんど期待していなかったが、主演が
大好きなニコラス・ケイジなので、見ることに。

NYで大学に勤める壮年の男。仕事が忙しく、なかなか
家族サービスができない。ハロウィンの夜、
ようやく息子と二人だけの時間が持てたわずかの間に、
息子はかき消えたようにいなくなってしまう。
仮装で賑わう人々の間を必死に探し回る父親。
必死の捜索もむなしく、息子はみつからない。
母親は半狂乱になり、二人は別居生活に入る・・・。

まもなく一年になろうとする頃に、父親は
失踪した子供の見つかる確率が、ハロウィンの
日だけ、とりわけ低いことに気が付くのである。

その後は、なんというか超自然現象を伴う、お定まり的
展開になっていく。とはいえ、ぞっとするほど不気味、
とか、恐ろしいとかいうほどのものでもなくて、
家族が見られる映画としての節度が保たれている感じ。

ただ、この映画はハロウィンという行事のある一面を
照らし出してくれている、と気が付いた。多くの人が
仮装して街に繰り出す、ということの恐さである。

みんなが匿名性を帯びる。これは犯罪に直結しやすい。
もうすぐハロウィン。日本ではこの行事がさほど
根付かないのでは、と思っていたのだけれど、どっこい、
今や、東京はどこよりも過激に華々しく行われる街
となりつつあるようだ。やれやれ、である。
nice!(0)  コメント(0) 

淵に立つ [映画]

「淵に立つ」もまた、最近、WOWOWで見た映画。
家族映画は、つまらないと徹底してつまらないから、
とやや危ぶみながら見始めたのだけれど。最後まで、
緊張感の続く、怖い映画だった。これまで見た
家族をめぐる映画で、私は西川美和監督の「ゆれる」が
ベスト、と思っているが、この映画はそれに次ぐくらい
よくできている映画だったと思えた。

郊外で小さな工場を営む夫婦と、十歳の娘の家族。
夫婦はほとんど目も合わさないほど、互いの心が
離れてしまっているが、そこに夫の古い友人が
訪ねてきて、住み込みで働くようになる。

夫と友人の間には、だれにも言えない秘密があった。
妻は人当たりのいい夫の友人に好意を抱くようになり・・・。
友人を演じる浅野忠信がすごくいい。
上品な印象を保ちながら、くらい影を持つ謎の男を
好演している。ごくたまにふっと見せる冷酷な感じと、
静かな平和な一市民と言う感じを違和なく同居させていて。

この男が再びこの家族のもとを去っていく直前、
残酷で取り返しのつかない罪を犯していく。
夫婦はこのことによって、初めて絆を取り戻していく。いや、
「夫婦」という関係から、一つの「運命共同体」へと
変化せざるを得なくなった、と言う方が実情に合っている。

あらためて、家族という存在は怖いものだ、と思う。
その本質を、ある一面から抉り出した、という点では、
やはり秀逸な作品であると言っていいのではないか。
こんな映画を見ると、ますます若い人は結婚しなく
なるのではないか、などとよけいなことを考えてしまうが。

最後の一場面に、ほんの少し救われる。
娘は救えなかったのかもしれないのだが・・。
nice!(0)  コメント(0) 

恐怖映画ふたつ [映画]

夏休みのせいかも、WOWOWでもホラー映画を
かなり多めに放映していて、立て続けに二本も見た。
一つは『The Visit』(邦題は「ビジット」A作とする)。もう一つは
『Don't Breathe』(同じく「ドント・ブリーズ」カタカナだと
いずれも、変な感じがするが・・・。こちらをB作とする)
A,B、二つの映画に共通点があって、面白く思った。

Aは二人の子供が休暇を利用して田舎にある祖母の家に一週間の
予定で滞在する。わけあって、祖父母とは初対面だった。
楽しいはずの休暇が一変してしまうのは、この祖父母に
おおきな秘密があったからで・・・(これ以上はネタバレに
なってしまうので省略する)二人はその後、とんでもない
恐怖を味わうことになるのである。

B作の方は、窃盗を繰り返している若者三人が
盲目の元軍人の家に盗みに入る計画を立て、実行に移す。
ところが、その軍人にも恐ろしい秘密があって、三人は、
命にかかわるような恐怖を体験をしてしまうのである。

自ら訪れた家に、思いもかけない魔性の人間が住んでいて・・、
という展開がかなり似ている、と思われたのである。
主人公たちは、知恵を絞り体を張って、危機を突破しようとする。
そのプロセスがいかにうまくできているか、に
映画の魅力はかかっているように思う。

私は断然B作の方に軍配を上げたい。
Aは、途中からかなり展開が不鮮明になってしまう。
というのも、この映画自体が、子供たちが回し続けている
カメラによって撮影されたものである、と
最後まで徹底されているからである。試みは面白いが、
最後の十五分は、第三者の目、によって展開を見たかった。
nice!(0)  コメント(0) 

The Gift [映画]

最近、WOWOWで放映された映画から。
「ザ・ギフト」は、いわゆる隣人ものサスペンス。
アメリカ映画には、この範疇のものが結構多い。
NYやシカゴなどごく一部の大都市を除くと、
アメリカは広大な田舎で、隣人との距離の取り方が、
難しいからだろうという感じがする。

妻が流産して以後精神的に不安定になったのを機に、
故郷カリフォルニアに転居してきたサイモン。
新居を構え、家具を選びに行った店舗で、
高校の同級生だったゴードに声を掛けられる。

サイモンは彼のことをよく覚えていず、当初は
妻に「いいやつだった」と告げるのだが・・・。
ゴードは夫婦の新居に勝手に訪ねてきて
色々と贈り物をし始める。サイモンはそれを
妻への横恋慕、と疑うようになるのだが・・・。

映画の作りとしては、色々と粗雑な点、
整合性のなさが目につくのだけれど、
これまで見た隣人サスペンスとは
(この映画は厳密には隣人ものとはいえないのだが)
異なる展開に、ちょっと新鮮な印象があった。

つまり、妻に近づいてくる男は、
邪心を抱いた、単なる加害者、というわけではなく、
過去の被害者だった、という点。
彼を通して、サイモンの本質が妻に見えてくる、
というところが、この映画のポイントになっているのである。

とはいえ、あちこちに展開のほころびが見えるので、
お勧め度は3,5点(五段階で)くらいの映画でした。

最愛の子 [映画]

WOWOWに契約して後、ヨーロッパや南米の映画など、
なかなか干渉できない作品をたくさん見れたことはよかったが、
難点は、中国映画がカンフーなどの冒険・歴史ものに偏っていること。

ところが先日、久しぶりに現代中国の一面を切り取るような
生活臭の強そうな映画が放映されていて、さっそく録画してみた。
邦題は「最愛の子」原題が「親愛的」

離婚した深圳に住む三十代の夫婦。三才の男児の養育権は自営業の夫に。
それが不満の妻、面会のたびに激しく元夫と言い争う。
ところが、その子、父親が少し目を離したすきに、
妻の車を追いかけて道路に出て、行方不明になるのである。
通りかかった、安徽省の農民が誘拐し、妻にはその事実を伏せ、
自分たちの子として育ててしまうのである。

子供を失った夫婦の悲嘆は、激しく、二人はこれまでの生活を
すべてなげうって、子供探しに奔走する。
二人は行方不明の子供を持つ親の会にも入会し、
互いに助け合い、情報を交換し合い、懸賞金まで用意して
子供を探し出そうとするのだが。
連絡があっても、詐欺で懸賞金を狙った詐欺ばかり。

これは悲しいかな、現代中国の現実である。
そしてこの映画も、実際にあった事件をもとにしている。

二人の子は、二年後、ある情報がもとで見つかるのだが
子供はすっかり、誘拐犯の妻のほうに懐いてしまっていて・・。
結局、だれもがそれぞれの不幸を負ってしまうことになるのである。
そして、最後の結末は衝撃的である。

最初から最後まで、息詰まるような展開で見ごたえがあった。
カンフーばかり見ている相棒も、最初は
「日常の映画なんて、つまらん」
と言っていたけれど、しっかり最後まで見ていた・・・。

ドキュメンタリー「シーズンズ」 [映画]

BSプレミアムで放送されるワイルドライフが大好きで、
時間があるときはチャンネルをあわせるのだが、
難点は、再放送が多いこと。録画していざ見ようとして、
すでに見ていたものの再放送だった、と気づいたときは更に腹が立つ。
番組案内に、もっと分かり易く表記してほしい、と思うこともたびたび。

一月二日にWOWOWで放映された「シーズンズ」は
映像が素晴らしくて、引き込まれるように見た。
副題に「二万年の地球旅行」とあり、地球の歴史的
変化の中で自然の移り変わりを描いていく、という
形がとられていたけれど、そういう枠は不要だったのでは、
と思いながら、生き生きとした自然の中の動物たちの営みに
おおいに魅せられた。

でも、途中で、はた、とおもったことがある。
中型の肉食獣が小動物を追いかけて行って
(その追いかけをしっかり映像に収めているところもすごいが)
穴に逃げ込まれてしまい、前足を使って、探るという場面があったが、
この肉食獣を、穴の内部から写し取っている場面があったからである。
ということは、カメラを二台、内外に設置していたということか。

自然を自然そのままに映像化し、さらに見ごたえもあり、
また何らかのストーリー性を持たせていくことはとても難しい。
私自身、飼っていた犬を撮影するのさえ、
なかなかうまくいかなかった経験がある。
まして警戒心の強い野生動物である。
ハードルの高さは想像に余るのだが・・・。

この映画は最後まで飽きることなく見ることができた。
すごいなあ、と感心しつつ、でも・・・。
少しばかり、疑念は残ったのだった。