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北海道ミニ(その5) [旅]

三日目の午前は、帯広市の南にあるビート資料館を
訪ねる予定にしていた。今回の旅の重要な目的地の一つである。
元の帯広製糖所の敷地内に、三十年ほど前に建てられた、レンガ色の
二階建て。明治の香りのする瀟洒な建物である。

九時半の開館と同時に入ると、初老の紳士が出迎えてくれた。
物腰も、丁寧な対応も身なりも、イギリス映画に登場する執事、
を思わせるような人である。ちなみにその時の客は我々二人だけ。
その係員の男性は、すぐに
「お時間の余裕はどのくらいでしょうか?」
とたずねてきて、10時40分にはここを出たいと告げると、
「かしこまりました、十分と存じます」
と応え、まずは映写室に案内してくれた。そこで
ビート糖の生産過程を紹介する15分くらいの映像を見る。
その後、館内を丁寧に案内してくれたのである。

北海道のビート栽培とビートによる製糖は
困難を極め、幾度かの挫折を経てようやく定着したものだった。
砂糖というと南方で栽培されるサトウキビの方を思い浮かべるし、
実際世界の砂糖の生産量に占める甘蔗糖の割合は大きいのだが、
日本では、生産される分蜜糖の七割強がビートを原料とするのである。
そしてその生産の中心が帯広近辺なのだから、帯広が
お菓子の街となったのも、当然と言えば当然なのだった。

ところで私はこれまで、甘蔗糖とビート糖の味の差が
今ひとつわからなかった。確かにその味の差は軽微で、
漫然と口にするとわかりにくいが、ビート糖の方が
すっきりとして上品な味わいがある。これがまた、
お菓子の味の決め手になるのだそうだ。

ビート資料館を運営するのは、日本甜菜製糖という会社で
個々のブランドはスズランの花のマークで有名である。
そういえば子供の頃、我が家ではよくこのマークの砂糖を
購入していたっけ。このあたりで作られていた砂糖だったのか!
と懐かしくなった。

夢中で説明に耳を傾けるうちに時間が来てしまい、
この「執事」さんともお別れすることに。
ちなみに資料館の入場料は大人300円。小箱入りのビート糖が
お土産にもらえます・・・。
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