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仙台×短歌(その10) [旅]

いよいよ、楽しかった秋保温泉を後にすることになった。
みんなの予定はそれぞれで、KUさんは仙台の友人と待ち合わせ。
私たちとは別の部屋だった四人は、仙台の海側の方へ行くらしい。
誘われたのだけれど、私は塩竃と松島へ一人で行くつもりでいた。

実は、大震災の後、宮城県、岩手県の太平洋側を訪れたい、と
思ってきていた。Hさんのお話だと
「塩竃あたりはもう、かなり被害の後は見えなく
なっているようですよ」ということだった。

塩釜神社を訪ね、塩にまつわる資料が置かれた
小さな資料館に入った。平日だから、どこも人は少ない。
その後、マリーンゲートに出て、
松島へ行く遊覧船に乗る。乗客は私を含めて八人。
案内の人たちはみんな親切で、私が一人で腰かけていると
「こちらの方が、両側の島々がよく見えますよ」
と導いてくれた。

松島の海はとても穏やかだった。実際のところ、この島々が
自然の防波堤になって、松島町自体の被害はかなり
抑えられたのだという。ただ、養殖の被害は深刻で、
現在ようやく、震災前の八割近くまで回復したところなのだとか。

松島の桟橋に降りると、驚くほど多くの観光客が
行き交っていた。外国語も多々聴こえてくる。
私は海に添って、しばらく歩き続けた。

仙台から帰ってしばらくすると、「塔」の東北の
仲間たちが寄稿している『2199日目』が届いていた。
『99日目』から始まって、七冊目の刊行である。
そしてそこには、いまだ生々しい当時の体験、
時間を経たからこそ書けたのだろう、詠めたのだろう、
と思われるエッセイが、歌が、並んでいた。

あるいは、直接の被災は経験しておらず、それゆえに、
立ち位置が見つけられずに戸惑い続けているらしい、
そんな心情を慎ましく語り、詠み続けている人も。

みんな、少しずつ違う。当然である。
でも、大切なことは思い続けていくこと、
あの日のことをいつまでも心に置き、
問い続けていくことだろう、と思う。
(この項、終わります。たくさんのアクセスに感謝いたします)


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