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藤沢周平体験(その3) [文学]

先回は触れなかったけれど、映画「たそがれ清兵衛」を
見たあたりから、『白き瓶』の作者像が江戸のチャンバラものも
書いていた作者に、近づいてきた感がした。
当初に感じた齟齬感は、少しずつ消えていき、
この作家への興味は少しずつ膨らんできて・・・。

一冊の時代物小説を手に取ったのは
それでも、永田和宏氏のあの『白き瓶』称賛の言葉を
耳にしてから二十年近くも経っていた。今は、
始めて読んだ藤沢作品が何だったのか、思い出せない。
ただ、何かとても悲しい内容のものが多い短編集だった。

この作者は、古い家父長制、男尊女卑、地方と都市の格差、
階級の格差などに敏感で、それらによって生まれる
どうしようもない不幸を表現しようとする作家
でもあるらしい、と、ぼんやりとながら理解できたのであるが・・。
最も魅力的に思えたのは、叙景の表現がとてもうまいということである。

  荒れ地を横切る間に、小暗い視界に乳のような
  白い光がまじり始めていた。夜は大急ぎで
  朝と交替しようとしているらしかった。
  上流は端から十間ほどのところで急に左折して、
  水路は日にかがやく青葉の奥に消えている。
  ・・・十七の若さはその地味な装いを内側から
  突きやぶって、外に現れずにはない。・・・・
         藤沢周平

これはたぶん、『決闘の辻』の一部だったと思うのだけれど、
ちょっと今確認できないでいます。すみません。
(この項、続けます)

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